
「ロゴを変更しました」と言うと最近の話のようですが、実は11年前のことです。
美大出身の妻・mizuhoには、
壁画やスパイスセットのイラストなど、
お店に関わるさまざまなデザインをお願いしています。
お店のロゴもそのひとつでした。
最初に私が渡したのは、とてもシンプルなラフスケッチ。
枝豆のさやのような、ぷっくりした形の中に
「D・A・L」の3文字を入れただけの手書きの絵です。
そこから何度も話し合いを重ねて完成したのが、
最初のロゴでした(写真・中央)。
お店がオープンする半年ほど前には出来上がっていたと思います。
ところが、
オープン3か月ほど前に東京で参加したセミナーで、
こんな話を聞きました。
「看板は、何のお店で、何が食べられるのかが、
一目でわからなければいけない。」
その言葉を聞いて帰ると、
すぐに妻へ「描き直してほしい」とお願いしました。
現在のロゴは、「南インド」を大きく配置し、
「料理」と「DAL」を添えたデザインになっています。
(看板はバナナの葉の上に、ロゴが載っています)
そのセミナーで、
今でも強く印象に残っている言葉があります。
「あなたはアートが欲しいですか?
それとも売り上げが欲しいですか?」
おしゃれなデザインでも、
何のお店かわからなければ、お客様は入ってきてくれない。
その言葉は、当時の私にはとても大きな気づきでした。
オープンしてしばらく経った頃、
常連のお客様からこんなことを言われました。
「お店の名前って何て言うの?
私たちは『南インドのお店』って呼んでるけど。」
その言葉を聞いたときは、
「よし、狙いどおりだ」と思いました。
店名よりも先に、
「南インドのお店」と認識していただけたからです。
とはいえ、
当時は「南インド料理って何?」
というところから知っていただく必要がありました。
お店のことを理解していただくために、
試行錯誤を繰り返した11年間だったように思います。
今なら、もっと伝わりやすいロゴを作れるかもしれません。
でも、このロゴを変えるつもりはありません。
毎年6〜7月になると、
開業準備をしていた頃のことをよく思い出します。
今日は、そんなロゴにまつわる思い出のお話でした。
11年前の決断でしたが、
今でも『伝わることが一番大切』という考えは変わっていません。
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